バックパッカー一人旅〜海外旅行記と旅情報

イタリア・イソラベッラ

イタリア共和国

イタリア地図3度目のイタリア。CITIのワールドキャッシュをポルトガルでATMに飲み込まれたので、急遽ローマへ。
その後シチリア島、ナポリを巡る。南イタリアは北イタリアに比べて物価が安く、庶民的な感じがした。人の雰囲気も少し違っていた。

旅のルート

フランス→ローマ→シチリア島・カターニア、シラクーサ→タオルミーナ→メッシーナ、パレルモ、アグリジェント→ナポリ、カプリ島、ポンペイ、サレルノ→ジェノバ→フランス

ローマ〜懐かしのローマ

2004/5/6〜7
朝7時前にローマ・テルミニ駅に到着。駅は新しくキレイになっていた。構内のマクドでコーヒーを飲み、駅周辺のゲストハウスをあたってみた。事前にhostelworld.comで数件チェックしておいたのだが、そのうち2軒は無かった。潰れたのか、私が場所を間違えたのか?1軒は呼び鈴を押しても誰も出なかった。
駅横のPOPINN HOSTELに行った。キレイで立地条件も良く、セキュリティーも完璧、朝食つき、スタッフの印象も良いので25ユーロと高額だが、疲れていたのでここに決めた。客層は宿泊代が安くないので年齢層が高く、台湾や韓国の真面目そうな人たちが多かった。

7年ぶりのローマは、懐かしかった。サンタ・マリア・マッジョーレ教会で旅の無事をお祈りし、道路の緑地帯の中にあるカフェに入った。ここでうっかり座ってしまい、エスプレッソと乾燥した玉子サンドで倍の値段の4ユーロも払うはめになった。座るとチャージが加算されるのを忘れていた!気をつけなければ!
そしてJTBオフィスでCITIワールドキャッシュの再発行手続きを済ませた。こういうときこそ、ジャパンで良かった、と心から思える。さすがである!ジャパン天晴れ!使用可能か確認する為、後2日ローマに滞在する必要があった。ゲストハウスの女性スタッフに延泊すると言うと、一泊につき2ユーロまけてくれた。彼女はとても美人で明るくて、レストランの割引券をくれたり(行けなかったが)、私の事を気にかけてくれた。

1997年春。初めて友人とローマに来たとき、私はメトロの車内で泥棒集団に遭遇した。数人の大男に周りを取り囲まれ、抱きつかれ、力ずくで抑えられた。誰も助けてはくれなかった。ケリを入れまくってなんとか脱出した。男達の手にはナイフが光っていた。怯える友人を抱えて別の車内に移動。そこで初めて私達は気が付いた。私のカバンが切られていたのだ。内部の小さな袋までそのキズは達していた。勿論カバンに貴重品など入れているわけがないので、被害はカバンを切られただけで済んだのだが。
抱きつく男にこちらの意識を集中させて、他のヤツがカバンを切る手段だと分かった。当時は海外旅行初心者オノボリさんで、しかも友人と一緒だったからスキだらけだったのだ。
今回はメトロを使わず、徒歩で市内散策する。ローマの市内の見所はほぼ歩いて周れるし、経費削減、歴史的な美しい街を堪能できる。ローマは好きな都市の一つである。

タバコがほぼ日本と同じ値段なのがありがたい。毎日1箱気兼ねなく吸いまくれる!パリより物価も安い。教会や懐かしのフォロ・ロマーノ、コロッセオを見学。テロ警戒で警察が増えた。やはりイタリアの店はどこもオシャレだ。欲しいものがたくさんあるが、荷物になるので買えない。ローマを旅の最後にすべきだったと後悔した。

宿に戻り、ベッドで食パンと缶詰のソーセージ、パックに入った生野菜を手づかみで食っているとアジア系の男性が入って来た。服装や持ち物で日本人かと思って日本語で話しかけると、日本在住の中国人だった。勿論日本語ペラペラなので話が弾んだ。彼はシチリア島・南イタリアから北上して次はミラノに行くそうだ。親切な人で、南イタリアの宿情報や治安を教えてくれた。
「ヨーロッパの後にエジプトに飛ぶ」というと大反対された。
「そんなとこ独りだと危険だよ!テロとかあるし、絶対誰かと行くべきだよ!」
「大丈夫やろ、多分(笑)」

2004/5/8
翌朝、私がシャワーを終えて部屋に戻ると、サイドテーブルにメモが置いてあった。
「良い旅を!気をつけてください!」
彼からの温かいメッセージだった。とても嬉しかった。荷物が置いてあるので、今隣のカフェに朝食に行っているのだろう。
「ありがとう!キミも良い旅を!」
返事を書いて、私はチェックアウトした。


今夜の夜行でシチリア島・カターニアに向かう。それまで荷物を担いで時間を潰す。
イタリアンに特に興味は無いが、小雨が降り出したので道沿いのパスタ博物館に入ってしまった。しまった、と思った。日本語オーディオガイドでパスタの製造方法や歴史などを聞いてまわるのだが、この内容で入場料9ユーロは、完全にボリだと思った。ほぼ同じ金額を払うなら、迷わずウィーン美術史美術館を選ぶ!
近代美術館は素晴らしかった。大好きなクリムトの作品もあった。3時間を費やした。公園をフラフラしていると中年紳士が駅までの近道を教えてくれた。都会にも親切な人はおるもんやな。

スーパーで夕食を購入し、駅へ。B級寝台にしたのだが、日本の寝台列車よりキレイで、ミネラルのサービスもあったので楽しくなってきた。

カターニア〜シチリア島上陸

2004/5/9
朝6時カターニア着。駅を出るとタクシーの客引きが凄いのが意外だった。ここはアジアか?誰もいなくて少し怖かったが、とりあえずローマのゲストハウスで同室だった中国人青年に教えてもらった宿に行く事にした。街は薄暗く、静かだ。中央広場のカフェが1軒だけ営業していたので、パンとエスプレッソの朝食。もう少し明るくなるまでここで時間を潰すことにした。座ってもチャージは取られなかった。

無事宿を見つけてチェックインした。部屋に入ると小柄で丸顔の可愛いイタリア人の女の子がいた。互いに挨拶を交わす。シラクーサに行こうとしたが、今日は日曜なのでバスが無かった。
駅のインフォメーションは完全に私を無視し、最悪無愛想だった。カターニアの街は小さく、半日で全てを見て周れた。車が多く、信号が無いので道路が横断しにくい。昼に1ユーロで大きな出来立てのパニーニの揚げたヤツを食った。かなり美味かった!他のパン屋も安くて美味い。物価は北イタリアよりもやはり安い。古い建物が多く、日曜だから街は閑散としていた。日本語の何かの怪しい会員証で学割がOKなのは地方だからだろうか。

夕方宿に戻ると、朝会った女の子がメイクをしていた。朝のノーメイク、TシャツにGパンの彼女とは別人だった。黒のセクシーなワンピースを着、アイメイクをポイントとしたセクシー系美女に大変身していた。
これからパーティーなのだろう。このゲストハウスの1階にバーがあり、連夜賑わっていた。窓を閉めても聴こえる大音量は、毎晩睡眠の妨げになった。しかもベッドにダニがいた。

シラクーサ〜朝から元気にヤッていたのは…パピルスを見る

2004/5/10
朝7時、私はシャワーを浴びていた。男女共同で4箇所の個室があり、各自ドアがあり、板で仕切られている。しばらくして、誰かが他の個室に入ったらしかった。そしてすぐに妖しい声と衣擦れの音が聞こえてきた…
誰かがSEXしているらしかった。私はわざと物音を立てて自分の存在をアピールした。
「ここに人がいますぜ〜っっ!!」しかし効果は無かった。しかも更にエキサイト(?!)そして声でレズビアンカップルであることが分かった…ビックリした!早めにシャワーを切り上げ、朝食を食べた。

シラクーサへ行くバスの風景は、とてもシチリア島らしくて素晴らしかった。白い岩肌、レモン畑、火山らしいエトナ山。シラクーサの街で一番印象に残ったのは泉のパピルスの草である。海は同じ地中海でも、リビエラとは色が違い、水色がエメラルドグリーンになった感じだ。港から海を覗くと、透明度が高い。きっと岩が白いからエメラルドなのかもしれない。

タオルミーナ〜リゾート地の出稼ぎ乞食

イタリア【シチリア島タオルミーナ、イソラ・ヴェッラ】2004/5/11
バスターミナル、タオルミーナ行きバス乗り場に、母親、娘、孫の3人親子がいた。タオルミーナのとある場所で、私達は再会する事になる。
何故私がこの家族を覚えていたかというと、母親がバスの入り口でマルボロをふかして、孫がジュースを飲んでいたからだった。入り口付近で他の乗客の迷惑であったし、普通よりみすぼらしい格好高級タバコは不似合いだった。

1時間15分でタオルミーナに到着。途中、有名なイソラ・ヴェッラが見えた。海はかなり美しい。その海に入れるかと思うとワクワクした。

イタリア【シチリア島、鉄道】
入り江から見た鉄道橋

カターニアのゲストハウスで入手したB&B(ベッドアンドブレックファースト)のチラシをもとにそこを訪ねた。住宅街の中にある、新しいこじんまりした宿だった。早速食料を仕入れて街に出た。

観光客も多く、日本人もいた。そして、教会の玄関で同じバスにいた3人家族の母親と再会した。彼女は物乞いをしていた。哀れみを乞う表情で観光客に訴えかけている。タオルミーナのバス乗り場で背筋を伸ばして腰に手を当て、ダリぃ〜かったり〜な、とマルボロを吸いまくっていた彼女とはえらい違いだった。私と目が合うと、視線をそらしてきまり悪そうにした。この家族は出稼ぎ乞食だったのだ。娘と孫も、他の場所で商いしているのだろう。

イソラ・ヴェッラは遠くから見た方がキレイである。静かな入り江を探し、日光浴をする。海に入るとクラゲに刺された。空気が乾燥しているので汗はかかないが、喉が渇く。

イタリア【シチリア島、タオルミーナカステッロ展望台への道】2004/5/12
昨夜は静かでベッドにダニがいなかったので久しぶりにまともに眠れた。朝食はビスケットとプレーン・ラスク、ジャム、バター、コーヒーが共同キッチンに置いてあった。
今日は曇りなので気分が重くなった。海で天気が悪いのは最悪である。カステッロ展望台へ。凄く眺めが良いが、曇っているのでエトナ火山は見えなかった。しかし裾野に見える山々、村、雲の影がアルプスを思い出させてくれた。遠くにギリシア劇場も見える。展望台下の教会には猫がたくさんいた。
その後海へ。この美しい海てビーチで寛ぐと、来て良かったなあ〜、いいとこやなあ〜と思えた。
左:カステッロ展望台への道

メッシーナ、パレルモ 〜危険を感じた地方都市

2004/5/14
早朝バスでメッシーナへ移動。ここでパレルモ行き列車に乗る。出発までに1時間あるので観光しようか悩んだが、雨やし、バスの車窓から見た限りでは面白い街には見えなかったので止めた。
駅のキヨスクでタバコを買ったら、他の客が親しげに話し掛けてきた。と思ったらタクシーの客引きだった。ヨーロッパでこんなにタクシーの勧誘を受けたのは後にも先にもシチリアだけである。

パレルモ着。汚い街である。車がもの凄く多く、運転が荒い。駅前は少しヤバそうだ。今回もローマで同室だった親切な青年に教えてもらったクアットロ・カンティ付近の安ホテルへ。大通りに面している、普通のまともなホテルだった。この街では、大通りに面した宿でないと危険だと思った。パレルモは意外に観光客が少なく、人が少ないワリに車が異常に多い。安全な街では無いと思った。絶対裏通りの人気の無い小道に入るのは避けるべきである。メインストリートにはヴィトンやマックスマーラなど有名なブランド店が並んでいるが、この街には似合わないし、客もいなかった。

主な見所〜プレトーリア広場、マルトラーナ教会、サン・カタルド教会を見学後、カテドラーレへ。ここでラリったヤツが寄ってきたが無視した。パラティーナ礼拝堂は素晴らしかった!

宿に戻ると、窓のカギが不安定なことが発覚した。押すとちゃんと閉まったが、何か不安だ。念のためワイヤーロックで固定した。

アグリジェント 〜古代遺跡

イタリア【シチリア島、アグリジェント・神殿の谷】
アグリジェントの谷
イタリア【シチリア島、アグリジェント神殿の谷から見た風景】
神殿の谷から見た風景

パレルモ〜釣銭ごまかし事件で感動

2004/5/15
今日は必要な日用品の買い出しに行った。ヴッチリアでローマより安かったのでイタリアン・ジェラートを食った。疲れが溜まっていたので午後からホテルで休憩した。私の部屋の窓から建物の屋上に出れたので、そこでビールとワインを飲んだ。皮肉なくらいの青空。なんでタオルミーナカステッロ展望台に登った日が曇りで、都市部にいるときに一点の曇りも無い青空なんやろ…

酒を飲みつくすと腹が減ってきたので食料を買い出しに行った。これが間違いだった。私は少し酔っていた。初めの老人の小さな商店は品数が少なかったので何も買わなかった。この善良そうな地味な店で食料を購入すべきだったのである!
次に小奇麗な商店兼カフェに入った。大きな丸パンとピザをテイクアウトした。計3.5ユーロ。私は10ユーロ札を出した。少年店員は普通にお釣り、レシートを差し出した。帰り道、釣り銭が妙に小銭が多くジャラジャラ鳴り響いた事に疑問を持った。もしかして、つり銭をごまかされたかもしれない!

もうあたりは暗いので、道端で財布を出すのは避けるべきだった。しかもまだ酔っている。すぐ部屋に戻って金を確認した。約5ユーロ足りないことが判明した!出かける前に有り金を数えたので、間違い無い。

当然取り返しに行く!5ユーロあったら何が買える?2日分のタバコ代、ピザが5つも食える!必死で貯めた血と汗の5ユーロ!…絶対取り返す!!
多分あのガキに英語は通じないだろう。言葉が通じなくても、ここは日本語の迫力で脅してやるぜ!!

レシートを掴んで、ボッタクリ店に走った。すると例のクソガキはいなくて、おばさんが一人いた。おばさんは無関係なので怒りを抑えて聞いた。
「さっきここにいた少年店員はいますか?」
彼女は冷蔵庫からコーラを取り出した。
「いや、そうじゃないんです!」
英語は全く通じないらしい。私はレシートを見せて説明した。
「さっき店員の少年に10ユーロ払ったが、お釣りが5ユーロ足りないんですよ」
レシートを見て彼女は「やっぱり、またか」といった感じで申し訳なさそうに5ユーロ札を差し出した。
どうやらあのクソガキは、以前にも釣銭をごまかしたことがあるらしかった。
おばさんは分かっている感じだった。そして申し訳なさそうに私に謝った。よく言葉が通じないのに、私を信用したな、と思った。
私が外国人観光客で、クソガキが観光客狙いの常習犯だからか?

それにしてもこの時は自分を信用してもらえて嬉しかった。言葉が通じなくても、言ってみるべきである。そして酔っ払って調子に乗るのは止めよう…

パレルモ→ナポリ〜港の海は美しかった

2004/5/16
今夜ナイトフェリーでナポリに行く。服を購入し、シチリア州立美術館、教会見学。

フェリー乗り場を確認し、ぼーっと港で就航時間を待つ。夕方、フェリーは出発した。中は豪華だった。私は一番安い座席である。ガラガラで1列占領できた。

甲板から次第に遠くなるシチリア島を眺めた。しかし寒くて最後まで島を見ていられなかった。フェリーはいかにも旅人らしくて好きだ。

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